1798

初の「パンデュール・サンパティーク」の発表

この時計は振り子時計と懐中時計がひとつになっており、懐中時計を振り子時計の台に設置すると、自動的に時刻が調整される仕組みになっています。

Breguet N 666


1795年にブレゲが考案し、1798年の全国博覧会で初めて発表されたパンデュール・サンパティークは、振り子時計と懐中時計をひとつにした時計でした。この振り子時計には、懐中時計を設置する台があり、懐中時計をそこに設置すると自動的に時刻が調整される仕組みになっていました。ブレゲが選んだ“サンパティーク”という言葉は調和や友好の概念を持ち、その名詞形である“シンパシー”は、精神世界においては、人間の身体の異なる器官や人類と宇宙を調和のもとにひとつにする普遍的原則を意味しています。

パンデュール・サンパティークは、ブレゲの名声をさらに高めましたが、それでもこの時計の制作は難しく、費用もかさむものでした。アブラアン-ルイ・ブレゲは、それぞれに異なるたった5つのこのタイプの時計を1823年の逝去前に、また1830年にはアントワーヌ-ルイがわずか1モデルを売却しています。 どの時計も王や王子によって購入されました。

ブレゲのパンデュール・サンパティーク No. 666、そのシンプルウォッチno. 721。1814年8月、イギリスの摂政王太子(後のイギリス国王ジョージ4世)が購入。王室コレクション